栄養士コラム

第86回「一人職ほど大切 仲間との自己研鑽」

小野寺由希恵

北海道札幌市立資生館小学校 栄養教諭

小野寺由希恵

札幌市の学校給食は親子給食方式です。学校に給食施設があり、その学校のみ、又は、近隣の学校と自校の2校分の給食を作っています。栄養教諭・学校栄養職員(以下、学校栄養士)はそれぞれの学校に所属し、その学校で調理して給食を提供し食指導を行っています。一人職種の私たちは、学校の中では同じ学校栄養士がいないので相談することもなく黙々と仕事をこなすことが多いです。しかし一人職種だからこそ横のつながりを大事にし、仲間と一緒に自己研鑽しています。

いろいろなつながり

札幌市の学校栄養士は「札幌市学校給食栄養士会」という団体に全員加入し、200名近い会員がいろいろな部に所属し研究を行っています。新しい献立の開発などを行う「献立研究部」、札幌市の子ども達の食生活を調査し研究する「食事調査部」、給食施設をより良いものにするために研究する「施設部」、札幌市学校給食栄養士会の取り組みをお知らせするホームページを作る「情報処理部」などもあります。詳しくはホームページに載っていますのでぜひご覧になってください。人気のレシピも掲載されとても充実しています。

たくさんある委員会・研修会

その他に札幌市教育委員会がまとめてくださっている、市内各区の学校栄養士が集まって行う「ブロック会議」や食物アレルギーの対応を統一させるための「アレルギー検討委員会」、現在あるレシピなどを検討する「栄養管理検討委員会」など、多くの会議があります。
また全国や北海道の範囲では、「全国(北海道)学校栄養士協議会」に入ることで全国の食育の最新情報を勉強し、研修しています。

一人じゃない安心感

このような研究団体などに所属し、会議や研修会に参加することで「職場では一人だけど一人じゃない、学校栄養士が全員で子ども達の食を担っているんだ」という気持ちや、「何か問題があっても周りの仲間に相談して解決できる」という安心感があります。そしてこのようなつながりは全国各地にあり、みんなが助け合いながら自己研鑽していると思います。
より良い食育を行うためにも、学校栄養士のチームワークがこれからもっともっと大切になってくると思います。