栄養士コラム

第143回「早寝・早起き・朝ごはん+おみそ汁を中心に据えた食育の実践」

鬼塚恵子

熊本県南阿蘇村白水学校給食センター 栄養教諭

鬼塚恵子

新型コロナウィルスをきっかけに、感染症との向き合い方や新しい生活様式への対応が問われ続けています。見えない不安の中で、どの世代の方も、気持ちが落ち込むことが増えたように思います。しかし、そんな時だからこそ、私たちの身体の土台となる「食」を見つめ直し、食にこだわりながら、作る時間も食べる時間も笑顔で過ごしていけるように取り組んでいます。

おみそ汁づくりを重点に置いた我が家の朝食

コロナ禍で、自分自身や家族の健康管理の重要性を今まで以上に感じるようになりました。私はその一歩として、朝食のおみそ汁づくりで健康管理に取り組むことにしました。おみそ汁に使う材料は、旬を意識したもの、子どもの行事に合わせた食材の組み合わせ、天気や気温を考えた味噌の種類など、細かいことにもこだわりを持ちながら作るようにしました。子どもたちに、その日のおみそ汁のこだわりを話すことも増えてきました。
少しずつですが、我が子の排便のリズム、体力などに変容が見られるようになりました。それと同時に、子どもたちの自信にもつながってきているような気がします。“無理せず、続けること”をモットーに、一日のスタートである朝ごはんを大事にしていきたいと思います。

和食の良さも伝えられるおみそ汁

学校給食にも積極的におみそ汁やすまし汁を取り入れています。週明けの月曜日に取り入れ、学校生活のリズムづくりにつなげる工夫をしています。また、給食時間の放送では、旬の食べものをおみそ汁に使うこと、出汁の大切さ、一汁二菜に意識すること、和食を食べると気持ちが落ち着くこと、体の中から温まることなどを児童に伝えています。児童の感想に、「給食のおみそ汁は大好きです」「家でも作りたいから、レシピがほしいです」などがあり、私が笑顔をもらうことができています。今後も、おみそ汁を基本とした和食の大切さを味わいながら、体と心の記憶に残るように、学校給食で伝え続けていきたいです。

「早寝・早起き・朝ごはん+おみそ汁」の発信を続けて

所属校のホームページの、給食と食の話の2つを担当しています。食の話では、子どもを持つ親という保護者と同じ立場から、我が家の子育ての様子を交えて発信をしています。内容は、我が家の朝食を写真と共に紹介し、簡単におみそ汁を取り入れるコツ、旬の食べもののおいしさ、子どものお手伝い、生活リズムの整え方などについても書いています。毎日の食事の準備は大変なこともあります。しかし、食を通して保護者の方が、子どもの成長を感じる喜びや料理を作る楽しさを感じるきっかけとなるように、今後も継続して発信していきたいです。