栄養士コラム

第149回「栄養教諭の連携による食育」

角一恵

島根県松江市立古志原小学校 栄養教諭

角一恵

今年度4月より松江市立古志原小学校に栄養教諭として勤務することになり、半年が経とうとしています。兼務している松江市立南学校給食センターは、見学コースや食育スペースが設置された約5,000食の給食を提供する、新設して3年目の給食センターです。

地場産物や行事食で「生きた教材」に

松江市には、現在8つの給食センターがあり、そのうち3つの大規模センターが、統一献立により給食を実施しています。毎月の献立目標に沿って、地場産物や行事食等を取り入れ、食に関する指導を行うための「生きた教材」となるよう、栄養教諭、学校栄養職員が集まり、時間をかけて意見交換を行っています。
近年、県内では給食センターの統合により、栄養教諭等の配置数が減少している状況にあります。兼務校が多くなる中で、栄養教諭が配置されていない学校でも効果的な食に関する指導ができるよう、市内の栄養教諭・学校栄養職員が連携し、食育の取組を推進しています。

ICT活用したコロナ禍における給食指導

現在も続くコロナ禍において、子どもたちは静かに食べる習慣が身につき、集中して食べることができるようになっています。学校ではインターネット環境が整備され、タブレット端末をつなげば、電子黒板で画像や動画を映すことが可能です。このような状況の中、給食時間に行うICTを活用した食に関する指導は、子どもたちへの指導効果が期待されます。

合同で毎月3本の動画作成

今年度は、勤務校を含む3校で組織されている校区合同学校保健委員会において、「栄養バランスを意識した食生活をおくることができる子どもの育成」を目標とし、給食時間の指導に取り組んでいます。音声付きスライドと給食調理の動画を毎月3本ずつ作成し、校内の共有フォルダーに保存したものを各担任に活用してもらいます。校区で給食センターが異なるため、給食センターの動画は管内の栄養教諭と連携しながら作成し、食に関する指導についても共通理解を図っているところです。
これからの栄養教諭の在り方を考えてみた時、限られた時間のなかで、連携なくしては進められないことがたくさんあるように思います。子どもたちの今と将来の健康につながるよう、よりよい食育を目指していきたいと考えています。