栄養士コラム

第154回「世界から高い評価を受ける日本の学校給食」

栁沢幸子

公益社団法人全国学校栄養士協議会 副会長

栁沢幸子

先日、ある雑誌で韓国の学校給食について紹介されている記事を目にしました。その時の内容は韓国では国の宝である子どもたちにはいいものを食べさせたいということで、オーガニック食材を使い、給食費は無償だという記事でした。

お国柄で違う給食スタイル

もともと韓国と日本の給食に関する制度は似ていて、韓国では「栄養教師」が栄養価を考えて献立を作成し、学校で調理し、食育も行われているということは割と知られています。 では、ほかの国の学校給食はどうなっているんだろうと思い少し調べてみました。 アメリカでは給食か、自分で用意して持参するか自由選択です。給食を食べる人は食堂で自分の好きなものを好きなだけ自由に選んで食べる形式です。 フランスやスペインでは、給食を食べるか家に帰って食べるか選択制で、給食を食べる人は、学校によって違いますがセルフ方式かあらかじめ配膳されたものを食べます。 イギリスはキッチンで調理された料理を食堂で食べます。給食担当の先生がいるのですが、「たのしく食べる」がモットーなので子どもたちが食べる内容や残しても、一切指導はしないそうです。

日本の給食支える栄養教諭・学校栄養職員

このように多様な世界各国の給食ですが、今、日本の学校給食は海外の国から高く評価されています。 その理由として
①必要な栄養価が計算され、衛生面に配慮して調理されている等質が高い。
②安価で提供されている。
③給食を教材として活用し、給食時間や教科の中で食育を行っている。
④子ども自身が配膳、片付けまでを行うことで食事のマナーや社旗性を養うことができる……等があげられます。
そんな日本の学校給食をささえるのは、もちろん栄養教諭・学校栄養職員です。ここ2、3年のコロナ禍の状況においても、ICT等を取り入れて給食時間の指導や教科の指導に生かすなど様々な工夫をして乗り切っています。

実践を伝え理解される努力も大切

しかし栄養教諭・学校栄養職員が実践していることが、他の人に伝わっていないのではないかと思われることもあります。しかし世界から高い評価を受けている日本の学校給食を担っているという誇りを持ち、実践し、そのことを積極的に発信し、栄養教諭・学校栄養職員の職務について理解してもらうことも大切ではないかと思います。