栄養士コラム

第119回「地域の食材が生きた教材に」

越桐由紀子

福井県坂井市春江坂井学校給食センター 栄養教諭

越桐由紀子

学校給食の食材料にかかる費用(給食費)は、1食あたり2~300円台です。この金額の範囲内で主食、主菜、副菜がそろった栄養バランスのよい、生きた教材となる献立の作成には、この職に就いて何十年経った今でも日々頭を悩ませています。    

豊富な地場産物を献立に

普段から豊富な福井の地場産物を使った献立になるよう心がけていますが、福井を代表する越前ガニ・若狭牛・ふくいサーモンなどのブランド食材を取り入れるのは価格的に難しいです。奮発して福井のブランド牛肉「若狭牛」をコロッケに使ったのに、よくわからないままおなかの中に・・・ということもありました。

補助金で広がる活用の幅

福井県で平成30年度から実施している「ふくいの地場産学校給食推進事業」では、児童生徒1人あたり1回150円、年3回を上限とする補助金が交付され、日ごろ給食では使えない価格の食材を主菜に、地場産物をたくさん使用した副菜・汁物・デザートを組み合わせて提供することができるようになりました。

学級担任の指導力にも期待

同事業では、その日の給食を教材とした授業を行うことが必須となっています。このため栄養教諭の提供した指導案と映像などの補助資料を使い、学級担任が各教室で「食に関する指導」を行います。栄養教諭1人では1日で全学級への指導は困難ですが、学級担任ならばそれぞれ各自の学級の実態に即した指導が可能です。また給食の時間でも、授業と関連したお話をすることで、子ども達の関心を食材に着目させ、味わわせることができます。
この事業を通して給食が生きた教材として確実に活用され、地域の食について知識理解、関心も深まっています。

高級食材が持つ力を借りて

2月に実施した献立は「若狭牛の牛丼、勝山水菜のごまあえ、まめまめ味噌汁、羽二重餅、牛乳」でした。若狭牛を取り入れた献立を、子どもたちはもちろん先生方も何日も前から心待ちにしてくれました。給食実施後、「若狭牛は福井の誇りです」「いつも以上に味を感じることができた」「今までに食べたことがある食材も特別に思えた」「地域の食材や生産者について考えてみた」などの感想が寄せられました。
高級食材を使用することは食への興味を誘い、意識して食べるきっかけになりました。これからも地域の食材の力を借りて、子どもたちにとって魅力的でおいしい、生きた教材となる献立作成を大切にしていきたいです。

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