栄養士コラム

第120回「コロナ旋風の中で思うこと」

熊野由佳子

山口県山口市立平川小学校 栄養教諭

熊野由佳子

全世界が新型コロナウイルスの脅威にさらされ、本当に大変な時代になりました。3月の全国学校一斉休校に伴い、この年度末の大切な時、あまりにも突然の幕切れに、教育現場は大混乱となりました。 

お祝い給食等楽しみだった3月

給食も例外ではなく、3月は食育のまとめの時期であり、卒業バイキングや進級お祝い給食等、子どもも楽しみにし、食育を進める栄養教諭や教員は使命感に燃えていたはずです。誰もが、現実を必死で受け止めながらも何ともいえない脱力感を感じたことでしょう。

給食の意義を再確認

家庭では、毎日の昼食をどう提供するかが大問題となりました。また、給食の食材を提供するための業者・生産者・工場・流通等や、調理員を含めた従事者の仕事がなくなるなど、経済的にも大きな影響が出ています。給食は多くの人たちのおかげで成り立っているものであることを改めて思います。
毎日食べることが当たり前と思っている給食ですが、食べられない状況の中でその存在の大きさを今更ながら感じずにはいられません。給食のもつ意義を再認識し、食の大切さをしっかりと子どもたちに伝えていきたいと思います。

「おいしい」笑顔からパワーを

栄養教諭は、給食管理と食育を二本の柱とし、どちらに偏ることなくバランス良く行うことを司っています。そして、食育の効果を最も大きく上げるのは「おいしい給食」の存在です。おいしい給食は子どもたちを積極的に食育へ引き込んでいきます。また、子どもたちの「おいしい」笑顔に私たちもパワーをもらい、さらに意欲的に仕事に取り組めるのです。
3月の自宅待機で子どもの生活を心配していましたが、運動場の施設開放で元気に遊ぶ姿や声を聞いて、何か安心し、学校に明かりがともった感じがしました。

みんなが子どもの見守り隊

今回の新型コロナウイルスによる3月休校の体験から、給食の存在の大きさと関わる人たちの多さに今更ながら驚きました。みんなが子どもの健やかな成長を願い、みんなが子どもの見守り隊です。
栄養教諭には、食育を通して子どもを中心に、みんなをつなげて大きな輪を作っていく使命があります。そしてみんなの思いを大切にし、子どもたちにもその思いを感じられるような食育を推進しなければなりません。こんな時代だからこそ、相手のことを思いやることのできる人になってほしいと願っています。

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