栄養士コラム

第126回「みんなで取り組んだ安全な給食」

小島良子

青森県立青森第一高等養護学校 栄養教諭

小島良子

本校の今年の学校給食は4月からスタートすることができましたが、4月中旬から休校になり、5月の連休明けから再開しました。4月からの安全な給食の開始にあたり、食堂のテーブル・椅子の消毒、配膳の仕方の検討や食堂での密を避けるために教室で食べることになったクラスの対応など、考えなければならないことが山積みでした。

給食は学校全体で取り組むべきもの

まず、安全に給食を食べるための方法を校務分掌、各教育部、寄宿舎と各関係教職員が集まって、協議・検討しました。それに伴い、必要な物品、消耗品の整備を事務部にお願いし購入していただきました。また、対応を徹底するために、記録、担当を明確にして漏れがないよう工夫をしました。
なんとか給食はスタートし、最近では落ち着いて給食が行われています。教職員がそれぞれの立場で、安全に給食を食べるためにどのようにすればよいか、同じ方向を向いて話し合うことができ、「給食は学校全体で取り組むべきもの」ということを改めて実感しました。

現在の給食に思うこと

しかし、コロナ対策のため教員が配膳を行っており、生徒は「食べるだけ」の給食が続いています。「準備から後片付けまでが給食なのに…」。「黙って会話もせずに食べて、コミュニケーションの場としての給食は?」など、これでいいのだろうかと悩むばかりです。給食指導のあり方も状況に応じて、変容させていく必要があると感じています。

それでも給食は楽しみ

教室で食べていたクラスから、食堂で食べたいとの声があがったことから、夏休み明けから交代で食堂を利用することにしました。とても楽しみにしてくれています。これまで通りにはいかないけれど、些細なことでも喜びを感じ取れる気持ちを持てた生徒たちは、とても大きなものを得たと思います。
現在の給食の実施方法がある程度定着してきたことから、お楽しみの給食の再開も協議しています。バイキング給食を安全に実施するための検討、リクエスト給食の再開など、少しずつ楽しい給食の体験を増やしていきたいと思います。