栄養士コラム

第165回「給食コーナーで楽しく食育」

松井ちひろ

富山県舟橋村立舟橋小学校 栄養教諭

松井ちひろ

本校で行っている、給食コーナーでの取組を紹介します。本校は玄関から入ってすぐの場所に給食室があり、その前にあるのが給食コーナーです。調理員さんの様子を掲示したり、特別献立の時は、数日前から献立をPRするものを置いたりしています。

思わず立ち止まる展示を

心がけているのは、献立に合わせて掲示を作り、頻繁に変えること。また、実物を置いたり体験型にしたりすることで、前を通った人が思わず立ち止まってしまうコーナーを目指しています。例えば、地場産のキャベツが給食にでる日は、捨ててしまう外側の葉を何枚か集めて、1個のキャベツように丸めて掲示しました。キャベツの写真とともに実物も置くことで、より目を引くことができます。また、「優しく触ってね」と書いたメッセージを置き、飾ってあるものは自由に触ってよいことにしています。

本物に触れる機会にしたい

「スーパーのきゅうり」「地場産の有機きゅうり」「きゅうりのおもちゃ」の3つを置いて、「地場産の有機きゅうりはどれでしょう」というクイズをした時は、「給食のきゅうりと同じにおいがする」と、においをかいで答えをあてた子がいました。料理に使われている「切った野菜」しか知らない子のために、できるだけ本物と触れ合える機会を作りたいと思っています。 月見献立の時には、ティッシュを丸め、白色のお花紙で包んだお団子を15個置いておきました。前を通った子どもたちは「本物みたい」「お団子が食べたくなった」と何度もお団子を三方に並べて楽しんでいました。

周りに支えられて継続

掲示の準備をしていると、子どもたちが「次はなに」と寄ってきます。そうした子どもたちとのやりとりが楽しみでもあり、また給食時間に教室へ行ったときの話題作りにもなっています。また、このコーナーは給食に興味があるなしに関わらず、前を通った人全てに給食のことを発信できるよさもあると思います。 頻繁に掲示を変えるのは大変ですが、職員室で「こんな掲示はどう?」と一緒に考えてくださる同僚や、写真撮影に気さくに応じてくださる調理員さんなど、周りの方々の支えがあるおかげで続けられています。ICTの時代ですが、こうした給食コーナーも合わせて、自分も楽しみながら食育を進めていきたいと思います。