栄養士コラム

第166回「教室を巡って出会えるキラキラの笑顔」

久保田晴美

鹿児島県薩摩川内市立樋脇学校給食センター 栄養教諭

久保田晴美

給食時間が終わると「おいしい給食ごちそうさまでした!」「今日の給食も最高でした!また作ってください!」と、給食センターに子どもたちの声が響きます。給食センター方式ですが、隣接した樋脇小学校の給食当番児童は、給食センターの配膳棚で給食の受取や返却を行います。スタッフは、子どもたちの声に励まされ、笑顔に癒される毎日です。

親子でチャレンジ!

樋脇小学校保健委員会が9年間継続している取組に、夏休みに親子で献立を考えて調理し、ワークシートにまとめて提出する「親子でチャレンジ!」があります。 児童の「家族がおいしいと言って食べてくれたのでとてもうれしかった」「毎日料理を作るのは、とても大変だと思った」というコメントや、6年生保護者の「1年生の時には混ぜることしかできなかったのが、毎年出来ることが増えてきて、今年はネットで料理を調べて献立を考え、買い物をして作るところまで一人で出来ました。作ってくれた料理は、とっても美味しかったです!」というコメントから、献立を考え調理する活動を通して、栄養バランスのよい食事についての理解や調理技術の向上につながり、家族の一員としての自覚や家族への感謝の気持ちが育まれている様子がうかがえ、生きる力が育まれていることを感じます。

子どもたちの笑顔や驚きに力をもらって

夏休みに親子で考えた献立や家庭科の授業で考えた献立が給食に登場する時、自分たちが育てたさつま芋が入った料理が登場する時、自分の家族が育てた野菜や果物が使用される日、リクエスト給食や大好きな料理の日、苦手なものが食べられるようになった時など、様々な場面に子どもたちのキラキラした笑顔があふれています。 「竹!」「とうもろこし!」…しょうがの葉だけを見せて何かとたずねた時の子どもたちの答えです。隠していた地下茎部分を見せると「しょうがの葉っぱを初めて見た」「しょうがって野菜だったんだ」「すりおろしたしょうがしか見たことなかった」と驚きの声。この驚いた顔が見たくて、野菜の花(にんじん、じゃがいも、ほうれんそう、にんにくなど)や、さやに入ったごまなどを自宅から持参して、給食時間に教室を駆け巡ります。 家庭菜園で作業をしながら「次は何を見せようかな」「どんなことをやろうかな」と考えていると、ワクワクしてきて元気がわいてきます。子どもたちの笑顔や驚きが私の原動力になっているのだと感じる瞬間です。